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- 今月の一冊(2026年)

子どもの頃から本が好きで、暇さえあれば読んできました。
毎月一冊、これまでの読書の中で印象に残った本をご紹介させていただきます。
2026年5月 『 アフガニスタンの診療所から 』 中村 哲 著- 2026年4月 『 親子関係がよくなる!国語×アドラーで叶う幸せ受験 』 古瀬 道江 著
- 2026年3月 『 がんばることがしんどい人のための 仕事が楽になる60のコツと答え 』 西島 佑樹 著
- 2026年2月 『 論語 朱熹の本文訳と別解 』 石本 道明 青木 洋司 著
- 2026年1月 『 ラディカルラブ 』 サティシュ・クマール 著 辻 信一 訳
『 アフガニスタンの診療所から 』 中村 哲 著
幾度も戦乱の地となり、貧困、内乱、難民、人口・環境問題、宗教対立等に悩むアフガニスタンとパキスタンで、ハンセン病治療に全力を尽くす中村医師。氏と支援団体による現地に根ざした実践から、真の国際協力のあり方が見えてくる。テロをなくすために。戦乱の地での医師の実践…と紹介されています。
アフガニスタンで長年、農業用水路の建設など復興に携わってきた医師の中村哲さんが2019年12月4日、東部ナンガルハル州を車で移動中に何者かに銃撃され、お亡くなりになったことから「心から御冥福をお祈りし、その志を、続く人々に残すためにも、心をこめて復刊させていただきます」と出版されました。
「今、内外を見渡すと、信ずべき既成の「正義」や「進歩」に対する信頼が失われ、出口のない閉塞感や絶望に覆われているように思える。十年前、漠然と予感していた「世界的破局の始まり」が現実のものとして感ぜられ、一つの時代の終焉の時を、私たちは生きているように思えてならない。
強調したかったのは、人が人である限り、失ってはならぬものを守る限り、破局を恐れて「不安の運動」に惑わされる必要はないということである。人が守らねばならぬものは、そう多くはない。そして、人間の希望は観念の中で捏造できるものではない。本書が少しでもこの事実を伝えうるなら、幸いである」と、2004年10月の文庫版のあとがきで著者は述べておられました。
ただアフガニスタンの状況を知ることができるだけでなく、歴史の中でどんなことが起きてきたのか、今の世界の状況がどのようにして生まれてきたのかを、わずかながらも知る手掛かりにもなりました。同時に、豊かさとは、幸せとは何かを考えるきっかけにもなりました。
「本書によって私たちはアフガニスタンの状況だけでなく私たち自身の姿を見ることができるだろう」と、「解説」に阿部謹也氏が書かれています。
名著と呼ばれるにふさわしい、おすすめの一冊です。
2005年2月 筑摩書房 780円+税
『 親子関係がよくなる!国語×アドラーで叶う幸せ受験 』 古瀬 道江 著
小学生時代は、大切なかけがえのない我が子が心も身体も大きく成長する時期。その時期に何を学び、何を身につけ、それを「今後の人生を切り拓く力」に変えていくのか?
親として、どう関わるべきか悩む。本書は、「頭」も「心」も成長し、親子関係もよくなり、合格後も自立に向かって伸びていく、そんな「幸せ受験」を叶える方法を紹介…と表紙裏に書かれていました。
お子さんの中学受験を考えておられる方は勿論ですが、受験を抜きにしても大事にしたい子育ての要点が、しっかりと書かれています。塾講師を始めて30年、“塾の要らない賢い子どもを育てるスーパー寺小屋”を自ら開いて21年。数々の実績を上げてきた現役の国語講師であり、アドラー心理学カウンセラーの著者の実際の経験に基づく言葉は多くの悩める親御さんたちの支えになると思いました。
子どもも、親も、幸せに生きて行くためのヒントがいっぱいのおすすめの一冊です。
2026年2月 セルバ出版 1,870円(税込み)
『 がんばることがしんどい人のための 仕事が楽になる60のコツと答え 』 西島 佑樹 著
人気サロンのオーナー美容師が伝えたい『Have Fun!』な働き方。技術、接客、人間関係に悩む、不安なあなたに、辞めるのはまだ早い、視点を変えれば仕事がどんどん楽しくなることをまとめたQ&A。「もう少し力を抜いて働きたい」「真面目にやっているのに、なぜか疲れてしまう」そんな思いを抱える人に向けて書かれた、実践的でやさしい仕事の処方箋です。読むたびに「それでよかったんだ」と肩の力が抜け、仕事に対する見え方が少しずつ変わっていくはずです…と内容紹介されています。
若い美容師さんたちや、美容業界を目指す人たちに向けて書かれた本ですが、どの業種にも通じる、仕事への取り組み方や気構えをわかりやすく、親身になって伝えている本でした。
若い方々だけでなく、ベテランの皆さまにも、ためになる親切な一冊。特に接客にかかわる部署の方におすすめします。
2026年1月 春陽堂書店 1,870円(税込み)
『 論語 朱熹の本文訳と別解 』 石本 道明 青木 洋司 著
論語の注釈書として最も読まれたのは朱熹の『論語集注』である。本書は論語全文につき、この書に基づいて書き下し文、現代訳を施し、さらに、他の儒者の解釈は別解として掲げ、論語解釈の多様性を明示した…と内容紹介されています。
一度は学んでみたいと何度か論語の本を手にしましたが、なかなか難しく途中であきらめていました。この本は、私のような初心者でも読み進むことが出来ます。文字も大きく、ふりがなもあり、定説の現代語訳と別解も親切に併記されています。少しずつ、音読もしながら、楽しみに繰り返し読んでいこうと思っています。
論語を学びたい方におすすめの、論語テキストの決定版ともいえる一冊です。
2017年12月 明徳出版社 1,900円(税別)
『 ラディカルラブ 』 サティシュ・クマール 著 辻 信一 訳
本書は、愛の力で、社会に、自然界に、みなさん自身に、平和をもたらそうとする、非暴力平和運動家からの、本気の「愛の提言書」です。夢を抱き続けながら、世界中を無一文で歩き、愛を分かち合ってきた愛の体現者からのポジティブな “ことだま” 。…と内容紹介されています。
ラディカルラブとは根源的な、本質的な愛という意味だそうです。「愛の欠如は、戦争、紛争、競争、搾取、支配、そして人間や自然の征服につながります。……愛こそ、分断や孤立の終わりを、つながりと相互理解の始まりを告げるもの。団結や調和を生みだすのも、愛。愛こそがすべての問題に対する唯一の解決策であることを私は発見しました。どんな問題であれ、愛こそが完璧な答えなのです」と書かれていました。
先日来日されたサティシュ氏(現在89歳でお元気だそうです)のサイン入りの本書を、いつもお世話になっている方からプレゼントしていただきました。裏面の帯にあった「さあ、愛しましょう!地球を、人々を、自分自身を。」という言葉が印象に残っています。
シンプルな言葉で訳された、美しい本。これからも読み続けていきたい、たいせつな一冊です。
2024年11月 SOKEIパブリッシング(ゆっくり小文庫) 1,900円(税別)